温泉

花巻温泉郷 鉛温泉 藤三旅館

 今回は友人と女子旅。開湯600年の歴史がある鉛温泉の一軒宿「藤三旅館」で2泊してきました。
 訪れたのは12月下旬のこと。新幹線で花巻駅へ、そこからレンタカーという計画だったので、数日前に雪の状況を宿に問い合わせてみました。
 すると「普通に積もってます。道路は除雪してあります」という、やや冷めた答えだったので不安を感じつつやっては来たものの。花巻駅周辺は驚くほど雪が積もっているではありませんか。
 道路上の雪は、除雪というより圧雪された状態。東京の人間にしてみたら「除雪」と聞けば雪が完全にない状態を想像するもんだと思いますが、そうじゃない。
 雪、あるじゃん。除雪されてないじゃん。ここを走るの? 雪道走行は生涯で2度目ってくらいの私が?
 というのが第一印象でした。
 レンタルした車はホンダのFIT。タイヤはもちろんスタッドレスということなんだけど、初めて乗る車だし不安しかないまま走り出しました。
 が、意外や意外。思ったより滑らない。
 しばらく走って慣れた頃にブレーキを強めに踏んでみましたが、滑らないしスリップしない。凄いですね、最近の車。
 というわけで超ノロノロ運転のすえ到着した「藤三旅館」でしたが、県道から降りていく坂道はやはり怖かったです。かなり急で、特に登りのときは後輪がドリフトしましたから。下りよりそっちの方が怖かったです。

 いや、それにしても雪、深い。
 そして、つららの凄いこと。真下を歩いててつららが落ちてきたら脳天にぶっ刺さりそうです。

 藤三旅館は1841年(天保12年)開業という古い歴史を誇るお宿です。
 天保というのはもちろん江戸時代で、将軍は12代・家慶(いえよし・在職1837年~1853年)の頃。家慶は、あの篤姫が嫁いだ家定のパパです。最近の大河ドラマでいうと、渋沢栄一を描いた「青天を衝け」で吉幾三さんが演じた人物。
 そして天保12年は老中・水野忠邦が「天保の改革」を断行した年でもあります。ちなみにこの改革で登用された人材の一人に、あの「遠山の金さん」のモデルとなった遠山景元がいます。
 「遠山の金さん」の頃に開かれたと聞くと、いかにこの「藤三旅館」が古いかということがよく実感できると思います。

 昭和の雰囲気を漂わす館内。廊下の調度品なども昭和っぽいテイストに溢れていて、なんとなく心が落ち着く感じがします。

 私たちが通されたのは本館の一室。総けやき造りの木造建築で渓流に面した角部屋でした。トイレ・洗面所はありませんが、鉄筋造りの別館とは廊下で繋がっており、そちらの方を利用するようになっています。
 他に文豪・田宮虎彦が滞在して執筆した和室というのもあり、この一連の建物の中では昭和16年築というのが最古の建築物のようです。
 外は極寒の雪景色ですが、二重窓になっているので寒くありません。ヒーターもよく効いてます。
 隣の棟の屋から大量の雪がどどどっと落ちたときは建物が少し揺れて、思わず悲鳴が出てしまいました。
 雪国怖い😱

白猿の湯

 この藤三旅館の最大のウリは「白猿の湯」です。人力で掘って造った湯船だそうで、湯船の深さは平均で1.25メートルもあり、立って浸かるようになっています。
 1階の廊下に面した引き戸を開けると、浴槽へと下っていく階段があります。
 地下1階に相当する深いところに浴槽があり、しかも浴槽の真下から源泉が沸いているという、なんとも贅沢な造り。掛け流しの温泉でも源泉が直下というのはなかなかありません。大地から湧き出たお湯そのままを堪能することができ、しかも加水せず・循環せずを守っている素晴らしい温泉なのです。

 「白猿」命名の由来は1443年頃にまでさかのぼります。
 経営者のご祖先が山の中で木を切っていると、一匹の白い猿が岩窟から出て、木の根元から湧きでる泉に入って手足の傷を癒すのを見ました。そこで一族が天然風呂として使うため仮小屋を建てたと伝わっているそうです。
 その後1786年に大衆の浴場として長屋を建て、1841年に温泉旅館として開業しました。白猿が浸かっていることから発見されたということから「白猿の湯」と呼ばれるようになったということです。
 見てわかるように、浴槽のまわりに手すりはありません。そして、湯船の深さは最大で1.4メートル。まず最初に、これどうやって入るの? と悩んでしまいました。
 とりあえず湯船の縁に座ってから向きを変え、後ろ向きに浸かることになるのですが、これ混浴で男性の視線を浴びた状態でやるのはかなり厳しいです。友人と私は混浴が終わるのを待って女性専用時間に入りましたが(女性専用時間6:00~7:00/14:00~15:00/19:30~21:00)、お湯も透明だし、混浴するにはちょっとハードル高めの温泉だと思いました。

 お湯は熱めで少し温泉っぽい匂いがする他はこれといった特徴はないです。クセがなくさっぱりしてて、肌触りはすべすべして気持ちが良いです。
 情緒たっぷりのこの雰囲気、もうたまりません。いつまでも浸かっていたいような夢の空間といっても過言ではないですね。

 1泊目の夕飯がこちら。奮発していちばん高いコースを頼んだのでいかにも豪華な感じです。
 左上の銀色の鍋はアワビのバター焼。火をつける前に蓋をとって確認してみたところ、アワビがいません。友だちの鍋にもやはりアワビの姿はなし。
 仲居さんに「アワビはこれから入れるのですか」と聞くと、「蓋の裏側にいます」。
 驚いて蓋を返してみると大きなアワビがへばりついていて、友人と大笑いしてしまいました。

 そして2泊目の夕飯。日本酒もおいしくて、岩手の恵みを堪能しました。

藤三旅館

岩手県花巻市鉛字中平75-1
0198-25-2311
藤三旅館ホームページ
 ・・・
日帰り営業時間 7:00~21:00(最終受付20:00)
日帰り料金 大人700円/小人500円
 ・・・
泉質:単純温泉・アルカリ性単純高温泉
泉温:57度

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