ガーデニング

害虫と益虫

 バラには大敵がたくさんいます。チュウレンジハバチ、クロケシツブチョッキリ、アブラムシなどなど。
 しかし、それぞれにも天敵がおり、ムキになって薬剤散布しなくてもその天敵が害虫を食べてくれるという生態循環も存在します。
  今回は、その生態循環と薬剤について考えてみたいと思います。

チュウレンジハバチ

 バラの大敵の筆頭、チュウレンジハバチ。ハチの仲間で、メスがバラの枝に産卵します。

 この季節になると1日何回も見回りをして、チュウレンジハバチがバラに取りついて卵管を刺しているところを捕殺するようにしています。
 時には飛んでいるところを手でパチンと叩いて捕獲することもあります。ハチの仲間でありながら飛翔はゆっくりで、わりと捕まえやすいです。
 また卵管を刺してしる時も無抵抗なので簡単に捕獲できます。
 可哀想だとは思いますが、これもバラを守るため。心の中で「ごめんなさい」と謝りながら処分しています。
 今の時期、チュウレンジハバチが卵管を刺した痕があちらこちらに見られます。

 写真の赤丸で囲んだところは我が家のバラの中ではもっとも大きな痕跡です。早めに対処しているためこの程度で済んでいますが、これが放置して産卵させるままにしておくと、もっと長い、この倍くらいの亀裂が残ることになります。
 産卵途中であってもいくつか卵を産みつけられていると思われるため、今後は毎日監視して卵からかえったアオムシが葉っぱを食害しないよう見張ることになります。
 とはいえ、チュウレンジハバチに多少食べられても、枝が縦に裂けても、花は咲きます。つぼみが落ちてしまうようなことはないので、そうムキになってパトロールしなくても花の数にさほど違いはないんじゃないかと思うこともあります。

 実は他にせっかく付いたたくさんのつぼみをみんな駄目にしてしまう恐るべき天敵がおり、それに比べるとチュウレンジハバチなんか大したことないとさえ思えます。

クロケシツブチョッキリ(バラゾウムシ)

 バラ最大の天敵とは、クロケシツブチョッキリ。ゾウムシの仲間でバラのつぼみや新芽を枯らすので、バラゾウムシの別名があります。
 クロケシツブチョッキリでは長いので、ここではなじみやすいバラゾウムシと書くことにします。

 バラゾウムシはバラのつぼみのすぐ下に卵を産みつけたり、新芽のエキスを吸ったりして加害します。
 被害を受けた新芽はチリチリと焦げたように黒っぽくなってパラパラと落ちます。つぼみはバンパネラに生気を吸いとられたかのように萎れ、やはり落ちます。幼虫はつぼみの茎の中で育ち、やがて土の中に潜って蛹になります。 
 
 せっかくつぼみが上がってきたと思ったら枯れてしまうなんて、もう悲しくて仕方がありません。多数のつぼみを一気にやられてしまうと、もうその場で死にたくなるほどのショックを受けます。バラを愛する者にとってバラゾウムシほど許しがたい凶悪犯は他にいないでしょう。

 そこであまり薬剤は使いたくありませんが、「そろそろヤツが現れる」と思ったら、病害虫を防除するスプレーを新芽中心に塗布することにしています。
 さらには頻繁に見回って捕殺という二段構えです。
 
 バラゾウムシは約2~3ミリとケシ粒のように小さい(だからケシツブチョッキリという)上に、手で捕まえようとするとポロッと落ちて逃げてしまいます。捕殺するにはちょっとしたコツが必要で、手のひらを添えて落ちてきたのをキャッチするわけです。
 この技をマスターする前は、バラゾウムシを何度取り逃がしたことでしょう。ポロッと落ちるなんてほんと卑怯すぎます。

 にしても、バラゾウムシが大好物という昆虫はいないのだろうか・・・と思って調べてみたら、ハナグモが天敵だそうです。
 しかし私はクモが苦手で、クモの漢字もここに書けないほど苦手。ガーデニング歴が長くなるにつれてあまり大騒ぎしなくなったけど、バラの匂いをかごうとしてハナグモがいたりしたら悲鳴をあげてしまうかもしれません。でも、クモなどの肉食の虫がいてこその生態循環なんですよね。

アブラムシ

 バラの天敵と言えば、アブラムシもいます。
 これも頻回に見回って、羽根が生えたアブラムシの親が取りついているところを捕殺してしまえば増えることはありません。
 しかし、4月中旬からは捕まえても捕まえても羽根を持ったアブラムシがつぼみにくっついていて、一体どこから飛んでくるんだろうと思うほどの数でした。
 先ほど「羽根」と書きましたが、「翅(ハネ)」というのが正しいところだそうです。飛んでくるのはこの翅のある「有翅型(ユウシガタ)」のアブラムシで、これが「親」となり、交尾することなくメスだけで子どもを産みます。
 子どもを産むって、卵の間違いじゃないのか? と思ってしまいますが、この時期のアブラムシは「胎生」で増えるのだとか。そして、秋に生まれた雄が交尾をして卵の状態で越冬するのだそうです。(住友化学園芸サイトより)
 アブラムシは戦闘能力ゼロなので、甘い排泄物を出してアリを味方につけて外敵から身を守ってもらっています。
 この外敵というのが主にテントウムシで、彼らテントウムシは幼虫・成虫ともにアブラムシを食べてくれます。そのテントウムシを殺さないようにするためにも、薬剤散布はできるだけ避けたいところです。
 なのでバラゾウムシ防除のために一回だけ薬剤スプレーをまいて、あとは手で捕殺というのが私のやり方です。その際にテントウムシの幼虫が死んでしまっている可能性はありますが、つぼみを守るためにはやむ得ません。

テントウムシ

 写真は、ジャーマン・カモミールのアブラムシに顔をつっこむテントウムシ。
 ナミテントウでしょうか。下の3枚はビオラの花から葉へとせわしなく移動してアブラムシを探す様子を撮影しました。鏡のようにツヤツヤにテカっていて、カメラを構える私のシルエットも映っています。

 

 テントウムシの幼虫。知らないと害虫だと思ってしまうような姿ですが、アブラムシを食べてくれる益虫です。これがやがてサナギになって、あのツヤツヤした丸い姿に変わるなんてちょっと信じられません。

 テントウムシはさぞ大食漢なのではと思ってしまいがちですが、意外とたくさんは食べてくれません。ムシャムシャと食べていたかと思うと、しばらくするとまったく動かなくなります。どうやら寝ているようです。
 左の写真は、爆睡中で微動だにしなくなったナミテントウ。
 早く起きて働いてくださ~い!!!

 ↓↓↓↓↓↓
 数時間後、またアブラムシを爆食している姿を見ましたが、まだまだアブラムシの数は減っておらず・・・。こんなゆったりペースでは、絶滅させる前にみんな大人になってしまいそうです。テントウムシがいるからと過剰に期待せず、自分でも捕殺していく方がいいみたいです。

5月10日

 ポリジの葉にいたテントウムシの幼虫。どうして蛇腹みたいな体をしているのだろう?
 悪役っぽい風貌がチャーミングです。

5月11日

 ジャーマン・カモミールに3匹もテントウムシの幼虫がいました(映っているのは1匹)。アブラムシの数もだいぶ減ってきました。活躍に期待したいと思います。

ヤマトクサカゲロウ

 ちょっと見にはテントウムシの幼虫。でも色が茶色だし、写真をアップにしてよく見たらクワガタのような大きな顎みたいなものが見えます。調べたら、ヤマトクサカゲロウ(アミメカゲロウ目クサカゲロウ科)の幼虫でした。
 これもアブラムシを食べる益虫です。親はトンボのような妖精のような?ちょっとはかなげな雰囲気。⇒ウィキペディア”ヤマトクサカゲロウ”
 卵は「うどんげ」と呼ばれるもので庭でちょくちょく見かけますが、幼虫を見たのは初めてです。

 「野菜は足音を聴かせて育てる」という言葉があるそうですが、バラも同じです。足繁く巡回し、病気の発生を察知して薬剤をまき、害虫を手で処理して木を守る。
 どれだけ手をかけたかが、そのまま葉や花の美しさに反映されます。もちろん働きながらの片手間でもバラは育てられるし花は咲く。でも、たぶん一週間に一回世話をするだけでは害虫大発生、黒星病で葉が落ちる・・・という事態になるのではないでしょうか。

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